簡単にできるレンジフード・換気扇のお掃除方法をまるっと解説


油汚れやほこりが固まりやすく、自分で掃除するのが大変なキッチンの「レンジフード」や「換気扇」。掃除の方法がわからなかったり頑固な汚れに苦戦したりして、そのまま放置してしまう人も少なくありません。

しかし汚れをそのままにしていると、部屋が臭くなるだけではなく害虫が発生したり故障したりとさまざまなデメリットが生じてしまうため注意が必要です。

そこで今回は、レンジフード・換気扇の効果的な掃除方法をご紹介します。身近なアイテムだけで簡単に掃除できる方法ですので、ぜひチェックしてみてください。

レンジフード・換気扇のお掃除をしていますか?

冒頭でも述べたとおり、レンジフード・換気扇の汚れを放置してしまう人も多いかもしれませんが、そのデメリットは甚大です。汚れで部品が劣化・破損したり、排気がうまく行えなくなったりと弊害が生じます。

とくに毎日料理をするご家庭では、レンジフード・換気扇が正常に機能しないと調理中の煙が室内にこびり付くこともしばしば。リビングやダイニングの壁やカーテン、家具などが臭くなってしまいます。汚れがひどい場合は、コンロの火が引火して火事の原因になる可能性もあるのです。

また汚れが溜まったままでは、油汚れが好物なゴキブリをはじめとする害虫が発生しやすくなります。パーツが入り組んでいるレンジフード・換気扇はキッチンのなかで最も害虫が潜みやすく、長期間放置すると害虫の巣窟になるケースも多いでしょう。

大変なイメージがあり後回しにしがちなレンジフード・換気扇の掃除ですが、放置すればするほど解説したように状態は悪化してしまいます。日常の隙間時間で効果的な掃除をこまめに行い、清潔で高い機能を維持した状態を保つことが大切です。

レンジフード・換気扇を掃除する頻度について

レンジフード・換気扇は付着した油汚れやほこりが固まりやすいため、定期的な掃除が必要です。理想では、レンジフードのカバーや換気扇の外側は週に1回程度、内部や各パーツは1〜3ヶ月に1回程度の頻度で汚れをキレイに拭き取っておくとよいでしょう。

またレンジフードのフィルターをつけている場合には、3ヶ月に1度のペースで交換しましょう。同じフィルターを長期間使い続けると吸収力が弱くなり、生活空間に悪臭が停滞しやすくなるからです。

さらに1ヶ月に1度のこまめな掃除に加えて、1年に1度は大掃除も実践してみましょう。大掃除では普段の拭き掃除に加え、パーツのつけおき洗いなどをして見落としがちな固まり汚れや細部にたまるほこりも落としましょう。

油汚れが多いレンジフード・換気扇にはどの洗剤がいいの?

ベタついたり硬化したりして落としにくい油汚れは「酸性」の性質をもっています。この性質を理解して洗剤を選ばなければ、なかなか汚れを落とせずに時間だけがかかってしまうでしょう。そこで、油汚れを効果的に落とす洗剤をご紹介していきます。

おすすめの洗剤①:食器用洗剤などの「中性洗剤」

油汚れには、食器や浴槽を洗うときに活躍する「中性洗剤」がおすすめです。水と油を混ぜ合わせる効果がある界面活性剤が配合されており、油汚れを浮かして落とします。酸性・アルカリ性両方の性質をもっているため、油汚れ以外の汚れに幅広く対応できるのも魅力です。

さらに中性洗剤は、他成分と混ざっても反応を起こさないため安全性が高いほか、肌にも比較的優しいことから、肌荒れを引き起こしにくい特徴があります。

しかし中性洗剤といっても多くの商品があり、どれを選べばいいのかわからない人もいるでしょう。

そのような人には、肌に優しい洗剤として有名な「ウタマロクリーナー」がおすすめです。アミノ酸系洗浄成分を主配合している中性洗剤で、油汚れに効果的なうえに安全性が高いためどこにでも安心して使えます。

ウタマロクリーナーをパーツに吹き付けて放置したり、歯ブラシや布巾などで擦り洗いしたりすることで、レンジフード・換気扇の広範囲から細部まで洗浄可能です。

おすすめの洗剤②:重曹やセスキなどの「アルカリ性洗剤」

タンパク質を分解する力がある「アルカリ性洗剤」も、油汚れの多いレンジフード・換気扇に効果的です。中性洗剤と比べて洗浄力が高く頑固な油汚れにも対応できるため、長期間放置してしまったレンジフード・換気扇の掃除に適しています。

ただし洗浄力が高い分、肌荒れを引き起こしやすい点に注意しましょう。素手で使用できる中性洗剤に反してゴム手袋が必要です。加えて目や鼻といった粘膜への刺激も強いため、使用するときはこまめに空気を入れ換えておきましょう。

そんな取り扱いに注意しなければならないアルカリ性洗剤ですが、自然由来成分で作られている安全な「重曹」や、重曹と炭酸ナトリウムで作られた「セスキ炭酸ソーダ水」、酸素系漂白剤の「オキシクリーン」といった安全性の高い洗剤も存在します。

とくに重曹とセスキ炭酸ソーダ水は人体に優しいため、ペットや小さなお子さまがいるご家庭でも安心して使えるでしょう。

自分でレンジフード・換気扇の掃除をするときに用意するモノ

続いて、ご自身でレンジフード・換気扇の掃除をするときに準備するモノをご紹介します。各道具をなにに使用するのかについても簡単にご説明しますので、ぜひ参考にしてください。

用意するモノ使い道
不要な新聞紙やチラシなどの紙コンロの上やキッチンに敷いて養生する際に使います。ただしシンクの養生には大きめのビニール袋がおすすめです。
複数枚の布巾や雑巾レンジフード・換気扇の表面やパーツの汚れ、洗い終わったあとの水分を拭き取ります。
スポンジ洗剤を付けてパーツや表面の油、ほこりなどの汚れをこすり落とします。
キッチンペーパーまたは食品用ラップ汚れやパーツに付着した水分を拭いたり、洗剤や漂白剤を染み込ませてパックしながら洗浄を行ったりします。
ドライバーレンジフード・換気扇を分解します。
大型ビニール袋分解したパーツをつけおきする際に使います。大型の桶やバケツでも代用可能です。またシンクの養生にも活用できます。
衣類用またはヘアケア用のリンス洗浄後のレンジフード・換気扇に塗り込み、汚れの付着を防ぎます。
ブラシ(大きいものや使用後の歯ブラシなど)つけおき後のパーツや表面部分の汚れをこすり落とします。
自宅のレンジフード・換気扇に適した洗剤汚れの度合いやレンジフード・換気扇の材質に合った中性洗剤やアルカリ性洗剤を選びましょう。
足場となる脚立や椅子高さのあるレンジフード・換気扇を掃除する際に欠かせない足場のため、安定性を重視して選びましょう。

簡単!レンジフード・換気扇の掃除方法

ここからは、レンジフード・換気扇の効果的な掃除方法を解説していきます。手順ごとに詳しくご説明していますので、ぜひ実践してみてください。

手順①:使う洗剤を手元に用意する

まず掃除に使う洗剤を用意します。レンジフード・換気扇の汚れ具合や材質に合わせて中性洗剤やアルカリ性洗剤を選びましょう。

天然素材である重曹などを使いたい場合には、事前に調合しておいてください。重曹スプレーの作り方は簡単で、100mlの水に対して重曹小さじ1杯を混ぜあわせるだけで完成です。調合して作った洗剤は100円均一などで販売されているスプレーボトルに入れておくと、ボディやパーツに吹きかけられます。

手順②:レンジフードの周りを新聞紙で養生する

次に、レンジフード・換気扇の周りを新聞紙やチラシなどの不要な紙で養生します。油汚れやほこりが溶け出した水、洗剤などが飛び散りやすいため、広範囲をしっかりカバーしておきましょう。

具体的には、下記のような箇所をメインに養生してみてください。

  • ガスコンロ

新聞紙を大きく広げてガスコンロ全体を覆うように被せ、新聞紙が動かないようにテープで固定しましょう。

  • シンク

掃除で出た汚水を流すシンクの養生には、大きめのゴミ袋を使いましょう。掃除が終わったあとに排水溝部分のビニールを切り抜けば、養生を取り外すことなく排水ができます。

  • 壁や床、調理台

壁や床、調理台にも新聞紙やビニールを敷いて汚れの付着を防ぎましょう。レンジフード・換気扇の汚れがひどい場合は汚水が多く発生するため、撥水性の高いビニールが適しています。

手順③:レンジフード回りの安全を確保する

養生が終わったらレンジフード・換気扇周りを安全に掃除できるように整えます。

まずはプラグを抜いたりブレーカーを落としたりして、レンジフード・換気扇に電源が入らないようにしましょう。真下にあるコンロも誤って点火しないように元栓を閉じておくと安心です。

また足場を安定させることも重要です。掃除中に踏み外してケガをしないように、安定性に優れた脚立や椅子を用意しておきましょう。安全が確保できていなければ、キッチンの破損につながる可能性もあるため注意が必要です。

手順④:カバーやファンなど各部品を取り外す

続いてはゴム手袋をはめ、ドライバーなどを使ってカバーやファンなどの各部品を取り外していきます。

外側の部品から外していき、ファンを固定している部品、ファン本体の順番で取り外していきましょう。一見複雑そうに見えますが、順番に外していけば簡単に分解できます。

手順⑤:洗剤を拭きかけてラップで包んでつけおきする

取り外したパーツには用意した洗剤を吹きかけ、付着した汚れと洗剤を馴染ませていきます。そしてラップやキッチンペーパーで包み、10〜20分程度放置しましょう。

また汚れがひどい場合は「つけおき洗浄」がおすすめです。大型ビニールやバケツに洗剤を溶かした水を入れてパーツを浸しましょう。1〜2時間程度漬けておくと、頑固な油汚れやベタつきも落としやすくなります。

ただしパーツによっては漬け置きで塗装が剥がれてしまうケースもあるため、事前にレンジフード・換気扇の取扱説明書を確認しておきましょう。

手順⑥:待っている間にフード部分を掃除する

パーツをラップで包んだりつけおきをしたりしている間に、洗剤を吹きかけた布巾や雑巾でフード部分を拭き掃除していきます。

キレイになったら、用意しておいたリンスを薄く塗りましょう。リンスのコーティング効果で汚れが付着しにくくなります。

手順⑦:つけおきしていた部品たちを洗い流してキレイに拭く

つけおきした部品たちをブラシやスポンジで擦りながら水でよく洗い流し、乾いた布巾や雑巾で水気を取りましょう。フィルターは繊細なため、穴が空かないように優しく扱ってください。

手順⑧:各パーツを元に戻して終了

洗浄した各パーツを取り外したときとは逆の順番で戻したら、レンジフード・換気扇の清掃は終了です。養生を外して周囲を軽く掃除すればキッチンもスッキリします。

レンジフード・換気扇のお掃除はプロの業者に依頼する

個人でもできるレンジフード・換気扇の掃除方法をご紹介してきましたが、面倒に感じる場合や汚れがひどい場合にはプロの清掃業者に依頼するとよいでしょう。費用はかかりますが、専用機器を使ってあっという間に汚れを落とし清潔なレンジフードにしてくれます。

自力の掃除よりもキレイに仕上がるうえに、業者によってはメンテナンスをオプションでつけることも可能です。レンジフード・換気扇の使用年数が経ってきたご家庭は、壊れている部分がないかなどのチェックをしてもらうとよいでしょう。

まとめ

複雑で面倒に思われがちなレンジフード・換気扇の清掃ですが、適切な掃除道具を用意し、正しい手順で進めれば誰でも簡単に実践できます。掃除を怠ってしまうと、料理中の煙を吸い取らず部屋中が臭くなってしまったり、害虫が発生したりとさまざまなデメリットがあるため注意しましょう。

またレンジフードが壊れてしまっている場合や、型が古く自力での掃除が難しい場合などは、思い切って新しいレンジフードにリフォームするのもおすすめです。

最新型のレンジフード・換気扇には手入れが簡単なモデルも多いため、定期的な掃除の頻度を減らせるでしょう。毎日使うキッチンですから、使い勝手の良い高機能なレンジフード・換気扇へのリフォームも検討してみてくださいね。