一人暮らしをされているお年寄りの数は年々増加しています。
と、同時に、自宅での事故や怪我の件数も増えています。
「自分の親はまだまだ大丈夫だろう」と思っていると、大きな事故に繋がるかもしれません。
実際に、事故や怪我をしたご両親をもつ方は「まだ元気なので大丈夫だと思った」とおっしゃる方も多く、
怪我をした本人も「まだまだ大丈夫」と過信した結果、病院に運ばれている方も多いのです。
体は知らず知らずのうちにどんどん動かしづらくなっていきます。
少しでも気がかりな点があるなら、できるだけ早く、対策をとることをおすすめします。
ここでは、「お年寄りがいる家でやっておきたいバリアフリー」に関して詳しくお伝えします。
一人暮らしのご両親をもつ方だけでなく、同居されている方も、是非読んでいただいて、事故が起こる前に対策をとってください。
自宅での事故件数
2017年内閣府が発表した「高齢社会白書」によると、事故の発生場所は「自宅」が最も多く、65歳以上の高齢者の方は77.1%、65歳未満の方は71.4%となっています。
参考までに、転倒や交通事故を含む一般道路での事故は9%(20歳以上65歳未満。65歳以上は6.9%)であることを考えると、自宅での事故がいかに多いかがお分かりいただけると思います。
自宅内で最も事故が多いのは居室(65歳未満35.1%、65歳以上45%)で、次いでキッチン(65歳未満38.1%、65歳以上17%)、洗面所・浴室(65歳未満7%、65歳以上5.4%)となります。
この数字だけを見ると、浴室での事故は少ないように思えますが、『死亡事故』となると話は別です。
厚生労働省「人口動態統計」によると、2016年には6.2%、7705人の方が不慮の溺死及び溺水で亡くなっており、前年から200人以上増えています。
溺死・溺水以外にも転倒などで死亡に至るケースも考えられますし、浴室での事故が持病の起因となって亡くなる場合もあるため、実際の数はここで挙げているよりも遥かに多いと予想できます。
バリアフリーで安心安全な浴室に
ちょっとした事でも、浴室では深刻な事故に直結します。
浴室をバリアフリー設計にすることで、深刻な事故へと繋がる危険性が低くなり、お年寄りをはじめ、全ての年代の方がより快適に過ごせるようになります。
ここでは、浴室のバリアフリーで気をつけておきたいポイントをご紹介します。
浴室と脱衣所の床
浴室や脱衣所の床は水や石鹸によって転倒しやすくなります。
服で体が保護できないので、特に安全性を高める必要があります。
【チェックしておきたいポイント】
・浴室と脱衣所の段差は2cm程度まで(つまづき防止)
・水で濡れても滑りにくい床材か(転倒防止)
浴室扉
扉の幅が広くなると、車椅子の方でもスムーズに通れるようになり、出入りの際に引っかかったりぶつかる危険性がなくなります。
外から開けられる作りにしておくと、万が一のときもすぐに救助に入れます。
【チェックしておきたいポイント】
・出入り口の幅は65cm以上あるか
・扉は引き戸、もしくは外開きか
・浴室の扉は外からでも解錠できるか
手すり
足腰の力が弱くなると、立ち座りがスムーズにできません。
特に、浴室や浴槽内は滑りやすいため、咄嗟のときに掴める手すりは必ずつけておきましょう。
【チェックしておきたいポイント】
・洗い場での立ち座りを助ける手すりはあるか
・浴槽での立ち座りを助ける手すりはあるか
浴槽のふち
ふちをまたいで浴槽に浸かるのが辛いという方も多いです。
ふちが高すぎると、またぐときに足をとられて危険です。
一度腰掛けて浴槽に入れるようにするなどの工夫が必要です。
【チェックしておきたいポイント】
・浴槽のふちは30~45cm程度のまたぎやすい高さか
・浴槽のふちは腰掛けられる幅があるか
浴室の暖房機能
浴室内では、転倒などの物理的な事故だけでなく、温度差が原因のヒートショックによる事故も多数発生しています。
脱衣所と浴室を温かくすることでヒートショックを予防することができます。
【チェックしておきたいポイント】
・脱衣所には床暖房、ストーブ、エアコンなどの暖房があるか
・浴室には浴室暖房、もしくは暖房機能つきの浴室乾燥機があるか
日々、何気なく過ごしている自宅も、年齢を重ねると危険な点がたくさんあります。
一人暮らしをされている方はもちろん、同居されていても、目の届かない間に事故が起きる可能性はゼロではありません。
賃貸にお住まいの方はより安全な物件への転居、持ち家の方はバリアフリーへのリフォームを是非ご検討ください。
藤阪ガスでは、お年寄りの方でもより快適に過ごせるよう、バリアフリーへのリフォームも承っております。
まずは一度、ご相談ください。あなたに合ったリフォームをご提案させていただきます。
リフォームのお問い合わせ・ご相談はこちらから。